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相関関係と因果関係

ヘヴィ・メタルでうつに

メルボルン大学のカトリーナ・マックフェラン教授の研究
成果によると、うつ病にかかりやすい若者はヘヴィ・メタル
音楽を習慣的に聴く傾向があるそうです。
被験者50名と面談を行い、さらに1000名の若者に
調査した結果です。
このような実証分析に対する反論
「相関関係にすぎず因果関係を証明するものではない」
になる。
この指摘を受けると、実証分析に携わる研究者は「仰せ
のとうりです。」としか返せません。
完全にコントロールされた実験は別にして、社会科学の
一般的な実証分析では完璧な因果関係を証明することは
難しいからです。ただし、統計学的手法を用いれば、ある
程度の検証は可能な場合があります。論点は2つで、
一つは擬似相関(見せかけの相関)、いま一つは逆の
因果関係です

擬似相関

XとYに相関があったとしても、XとYに直接に関係がなく
第3の要因ZがXとYに共通して影響しているケースです。
うつ病とヘヴィ・メタルの関係では、たとえばストレスを
共通要因として考えるとどうでしょうか。ストレスが多い
ほどうつ病になりやすいと同時に、ストレスが多いほど
ヘヴィ・メタルを聴く傾向があるとすれば、うつ病と
ヘヴィ・メタル観賞の間に擬似相関が生じるのです。
また、小中学生の学力と幼稚園出身であることの間には
世帯主の所得という共通要因があるかもしれません。
さらに、小中学生の朝食摂取と学力との間には、親の
教育熱心さという共通要員が隠されているかもしれません。
複数の要因を考慮するために重回帰分析という手法もある。