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津田梅の言葉

開校式での言葉

本当の教育は、立派な校舎や設備がなくてもできるものです。真の教育にはもっと大切
なことがあるにです。それは、教師の熱意と学生の研究心です。
こうした精神的な準備が整っていれば、設備など欠けていても真の教育はできると私は
考えます。また、大規模な学校で多数の学生を教えても、十分な成果は上がらないと思い
ます。人の心や気質は、その顔が異なるように皆違うのですから。したがって教育は、学生
一人ひとりの個性にしっくりあてはまるようにおこなうべき。多人数では無理がでます。
だから、私は、真の教育をするには、少人数に限ると思っています。
さて、この塾は、女子に専門教育を与える最初の学校です。したがって世間の目にもつきや
すく、いろいろな批判を受けることでしょう。もちろん世間の評判などさほど重要ではあり
ません。けれど、あなた方の軽率な行動が女子高等教育の進歩を妨げるならば、これはまこ
とに遺憾なことです。
だからくだらない世間の批評にのぼらないようにしてもらいたい。この塾の目的は、英語教
師の免許状を望む人々を指導することですが、そのうえで「完(まった)き婦人」(完璧な
女性)、すなわちオールラウンド・ウーマンになるように心がけてitだきたいと思います。