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ベイズさん

どんな人

ベイズ逆確率を発見したのは、1702年生まれ1761年没のイギリス人
トーマス・ベイズという人です。スコットランドのエディンバラ大学で
神学と数学を学びました。父の職業を継いで牧師となりました。
ベイズは、牧師をしながら、数学の研究もしていました。当時は、
神に仕える人々の中に、数学を研究する人が少なくなかったからです。
ベイズは、生涯に一編だけ数学の論文を書いています。それは「確率の
考え方におけるある問題の解法に関する考察」と言うタイトルの論文でした。
この論文の中に、ベイズ逆確率の原点がありました。ベイズは、この発見を
重要に思っていなかったらしく、長い間放置しており、おそらく1748年1749年
であろうと、推測されています。
ベイズの発見を世に知らしめたのは、友人の牧師リーチャード・プライスです
プライスはベイズの親戚の依頼で、ベイズの残した文献を調べました。そこで
論文を発見し、考え方を整理した上で、1764年にロイヤル・ソサエティーの
「哲学紀要」に論文を発表しました。これがベイズ逆確率のお披露目となる。
しかし、プライスの報告はほとんど注目されませんでした。その流れが変わった
のが、フランスの天才数学者ラプラスの研究でした。ラプラスは天文学、物理学
数学にたくさん業績を持つ人でした。ベイズの研究を知る前に既にベイズ逆確率
の着想に肉薄した論文を書いていました。プライスの研究を知り、自分の初期の
研究を完成に導くことに気づき、1781年頃に、一気にベイズ逆確率を現在の
公式の形に作り上げたのでした。したがって、ベイズ逆確率はラプラスの発見
でもあると言えるのです。

統計論

スタンダードな統計的推論はネイマン・ピアソン統計学と呼ばれているもの
です。普通の統計の教科書はこのネイマン・ピアソン統計学について解説
されています。「仮設検定」とか「区間推定」とかいった方法論が代表的な
ものです。19世紀の終わりから20世紀の初めに完成されたものでした。
19世紀の終わり頃フィッシャーらが激烈な批判を繰り広げ、ベイズ推定は
いったん学会から葬り去られました。
20世紀中頃になって、再度、注目を浴びます。きっかけはサベージなど
の統計学者たちが「主観的確率」の理論を構築したことでした。